イメージ_人工知能1『米Googleが開発する囲碁専用ディープラーニングシステム「AlphaGo」(アルファ碁)が3月9日、韓国のプロ棋士・李世ドル(Lee Sedol)氏との対局で勝利した。歴史的な敗北に対し、日本のプロ棋士や開発者も衝撃をあらわにしている。』(囲碁AI「AlphaGo」勝利は「衝撃的な結果」「棋士になって1番ショック」――プロ棋士や開発者の反応は(ITmedia)

『We’ve self-driven more than 1.5 million miles and are currently out on the streets of Mountain View, CA, Austin, TX, Kirkland, WA and Metro Phoenix, AZ.(我々は自己駆動で150万マイル(約240万キロ)走行し、現在はカリフォルニア州マウンテンビュー、テキサス州オースティン、ワシントン州カークランド、アリゾナ州メトロフェニックスに出没している。)』(On the road – Google Self-Driving Car Project(Google)

『「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。」

「これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10~20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」』(オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった(現代ビジネス)

さて、皆さんは、これらの記事からどのような将来社会を描くであろうか?

人間対AI(人工知能)、人間対ロボットのように人間と敵対する社会をイメージするのではないだろうか?

しかし、良く考えて頂きたい。AIにしてもロボットにしても人間が生み出したものであり”社会を豊かにし人間を支援・補助するものである”はずである。
従来、業務の効率化や自動化はコミュニケーションが不要であり、パワーや精密・単純作業に強いというロボットの特徴を活かし主に産業用ロボットで活用されていた。

イメージ_ロボット一方、最近CMやオフィスの案内係等で目にすることが増えたPepper(ロボット(※1))は「インターネットと繋がりクラウドを通して会話を学び賢く成長。さらに自動で機能が改善されたり追加されたりして、今までできなかったことが次々できるようになります」との謳い文句で社会に進出してきた。

例えば、以下の様な事例である。

・ショッピングモールでの「Pepper」によるお客様案内
・警備保障会社での「Pepper」を活用した新サービスの開発に着手
・「Pepper」がクルマの買取(査定)受付を開始!
・住宅業者での「Pepper」を住宅事業に導入へ
・「Pepper」の介護施設導入に向けた実証実験を開始
・大手銀行での「Pepper」の入行式開催!いよいよ順次配属開始!
・大手証券会社での独自アプリ搭載の「Pepper」を全国10店舗に導入
・住宅業者での「Pepper」を住宅展示場に採用・常駐
・「Pepper」が結婚式2次会にやってきた!
・個別指導塾に学習塾にロボット先生が登場
・家電量販店での来春から接客で「Pepper」を多店舗展開

これまで考えられていた分野とは異なる業種・業界でロボットの活用が始まっている。

また、目に見えない部分においてのAI活用も同様である。

イメージ_人工知能2企業に蓄積したデータを多方面での切り口により分析を行うシステムいわゆる”AIを活用したビックデータ分析”である。

これまで人間の勘に頼っていた部分をシステムが自動判断する訳であるが単なる代替に留まらず、さらに、これまで見過ごされていた将来の需要や傾向を高精度で予測することが出来る。

また、公共機関、学校やコンビニ等においても個人書類の自動発行により人間を介さずに自動取得できる仕組みも整ってきた。
先日施行された”マイナンバー”制度も自動化に向けての環境としては追い風となるはずである。

さて、ここで、日本の人口に目を転じてみよう。

日本の人口構成は若年層の人口が確実に減少しており、総務省によると「2025年には75歳以上が全人口の18%」になり「2060年には人口は8,674万人に減少するが、一方で、65歳以上が全人口の40%となる」と予測されている。

20160520_01(出所) 総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計):出生中位・死亡中位推計」(各年10月1日現在人口)

このような環境で社会生活に必要な労働力は将来どのように補われるのであろうか?
現在、享受されているサービスが、今後、このまま維持できるのであろうか?

外国からの移民受け入れも1つの方法ではあるが、世界規模での実現可能な方法は、コンピューターによるシステム化・自動化による省力化と機械・ロボット活用により不足した労働力の補完する事、さらに”人間に優しい”サービス向上ではないだろうか。

その為には、これらの技術基盤を”脅威に感じる”という悲観的な考えではなく、積極的に”利用・活用”する事こそが、これまで以上に我々人間の生活を”豊か”にする事に繋がるはずである。

ただし、重要な点は、これらの”しくみ”が本当の意味で機能し始めるまでには「大きなハードルがいくつも待ち構えている」という事である。

『英語テキストで会話する人工知能「Tay」が人種差別や陰謀論を学習してしまい緊急停止した件に関して、開発していた米Microsoftが公式ブログで謝罪しました。』(人工知能「Tay」の不適切発言、米Microsoftが謝罪 「システムの悪用について準備を重ねてきたが、重大な見落としがあった」(ITmedia)

イメージ_車_衝突『米Googleの自動運転車が公道で初の過失事故を起こしたことが、米カリフォルニア州陸運局(DMV:Department of Motor Vehicles)に2月23日付で提出された報告書(リンク先はPDF)で明らかになった。
Googleの自動運転車はこれまで、もらい事故こそあったものの、自動運転モード中の過失事故を起こしたのはこれが初めてだ。とはいえ、報告書の内容を見ると、相手の公共バスの運転手の“だろう運転”が事故の原因の1つのようだ。』(Googleの自動運転車、初の過失事故を報告(負傷者はなし)(ITmedia)

このようにな事例からも、事故が起きた場合の責任の所在や未完成な自動化による社会への悪影響など、これまで考えられていない問題点の解決をはかる為、法律関係の整備・改正も急ピッチで行う必要がある。
事故防止は無論、事故が起きてから考えるのでは遅すぎる。
問題点を顕在化させ想定出来得る脅威をいかに事前に取り除くかがポイントである。

さて、ここまで、将来に向けての”システム化・ロボット化の意義”を唱えてきたが、より身近に活用できる製品として、次回コラムでは”具体的”で”実用的”なシステムにスポットをあて、読者の仕事に有益な内容を紹介したい。

(内田 達也)

(※1)Pepper(発音はペッパー)は感情認識ヒューマノイドロボット。
フランスのアルデバランロボティクスと同社に出資するソフトバンクグループ傘下のソフトバンクモバイルにより共同開発された。