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トレンドコラム

「ワトソン」と「アインシュタイン」がタッグ!?

ルーペ2
衝撃的な発表が今年の3月に行われた。
あの天才物理学者と名探偵の助手が手を組む?
新しい映画の宣伝か?と思われた方も多いのではないだろうか。
しかし、これは映画や小説ではなく、「クラウド」のお話しなのである。

IBM社の意思決定支援システムである「Watson」とセールスフォースドットコム社のAI機能「アインシュタイン」が、クラウド上で世界線(プラットフォーム)を超えて連携されるのだ。
過去のコラムでも、「クラウド」や「AI」、「IoT」などのキーワードに触れ、その先端技術についてご紹介させていただいたが、なにも、先端の技術で、特定の大企業や有識者しか活用できないものではなく、誰でも、気軽に、身近で簡単に利用できるものなのである。

では、それらをいったいどう利用することで、なにができるようになるのか?
今後、数回に渡り、このコラムを通じて、基本的な概念と活用事例を、改めてご紹介していければと思っているので、是非、お付き合いいただきたい。

クラウド10初回である今回は、今の「AI」や「IoT」の基幹となる環境である「クラウド」というキーワードについて、触れていこうと思う。
IT業界での「クラウド」とは、「クラウドコンピューティング」のことを指しており、インターネット(雲)の上での(マルチ)コンピューティング という意味合いからきている。


今や「クラウド」の提供サービスは無数にあり、有名どころで言うと
「AWS(Amazon Web Services)」
「Microsoft Azure」
「Google Cloud Platform」
「IBM Bluemix」
などは、見聞きされたことがあるのではないだろうか?

弊社はIBM社のビジネスパートナーであるため、この中から、「IBM Bluemix」を中心に、ご紹介させていただきたいと思う。
まず、「IBM Bluemix」とは、IBM社が提供するPaaS(Platform as a Service)型のクラウドサービスの総称である。
※「IBM Bluemix Infrastructure(旧SoftLayer)」というIaaS(Interface as a Service)型サービスもある。

IBM社の場合、「Bluemix」より「Watson」の方が知名度が高いかもしれないが、「Watson」とは、この「Bluemix」上で提供されるAI機能の1つである。
冒頭でも触れたとおり、「Watson」とは、意思決定支援システムという位置づけになっており、あくまでも、最終的な判断は人に委ねるというIBM社の姿勢が覗える。

そういった意味でも、「Watson」は人々のいい聞き手として、支援を行ってくれるあの名探偵の助手の名前から付けられたものだと思っていたのだが、どうやらそうではなく、IBM社の初代社長である「トーマス・J・ワトソン」さんが由来のようだ。どちらにせよ、いずれは、日々の業務や生活をリードしてくれる欠かせない存在になりそうだ。

話がそれてしまったので、改めて「Bluemix」の紹介に戻ろうと思う。
「Bluemix」の提供方式としては、
共有環境である 『Public』
占有環境である『Dedicated』
そして、クラウドとは異なるが、自社データーセンター上に擬似的に展開できる『Local』
と、3つの形式で提供されている。

ここで、ご注意いただきたいのだが、「Watson」の機能は、原則、『Public』環境上で提供されており、『Dedicated』環境であっても、「Watson」の機能を使用する際に、必要なデータは『Public』環境に引き渡され、実行されてしまう。
また、現時点では、『Public』のデータセンターが日本国内には無いため、「Watson」等で処理するために、『Public』環境へ引き渡したデータにて、なにかしらの不都合が生じた場合、「日本法」が適用されない。
そのため、使用用途やデータの機密性には、十分配慮した上で、利用いただきたい。
こういった点で、日本ではまだまだ導入を躊躇われている企業も多いのかもしれない。

料金(契約)形態も3つあり、最初の30日間は、フリートライアルとして、無償で全機能を利用可能となっている。その後、クレジットによる従量課金であるPAYG(Pay As You Go) ・モデル個別契約による(月額+従量課金)※割引有 であるサブスクリプション・モデルでの契約を結んでいただくこととなる。
PAYGモデル、サブスクリプション・モデルともに、一部の機能については、毎月一定の使用量までは、無償で利用いただくことも可能となっている。

サポート体制としては、いずれの契約にも、基本サポートが付属しているが、より柔軟なサポートを希望される場合は、インシデント制による有償サポートも用意されているので、用途や緊急度に合わせて、ご検討いただきたい。

最後に、一番重要などういったことができるのかの機能的な部分についてだが、様々な機能・サービスが展開されているため、全てを細かくは説明できないが、大きく切り分けて以下のような分類で機能が提供されており、それぞれを単一で利用するだけでなく、簡単に組み合わせて利用できるようになっている。
・環境構築 (仮想サーバー ※Linux系 等、コンテナー Docker)
・開発環境 (Java、Node.js 等)
・アナリティクス (dashDB、Hadoop for Analytics 等)
・コグニティブサービス (Watson 等)

しかし、機能だけを聞いても、じゃあ、「クラウド」を利用してなにができるのか?
やはり、イメージは湧きにくいのではないだろうか?
そこで、弊社での「クラウド」を用いた、取り組みについても少しご紹介させていただきたいと思う。

① 多言語文書、音声の翻訳による意思疎通の改善
コミュニケーション3-1弊社でも、日本以外の国の方と一緒に働いているが、日本語は複雑で、やはり細かいニュアンスが伝わらなかったりする。
そこで、「Cognitive Service」の1つである「Language Transfer」を用いて、文書や音声をリアルタイムに解析、翻訳することで、言葉の壁による隔たりの改善を目指している。

② 顔認識による受付対応の自動化
監視カメラ 顔認証 - コピー

弊社にご来社いただいたことがある方はご存知かと思うが、弊社の受付の場所と事務所は少し離れており、受付までお越しいただいてから、設置してある電話にて呼び出していただき、担当が事務所からお迎えにあがっている。その為、お迎えにあがるまでお待たせしてしまったり、特に、初めてご来社いただく方には、受付手順もわかりにくく、不便である。
そこで、受付にカメラやロボットを設置して、社員以外の方の顔を認識し、自動応答による受付ができないか?と検討を進めている。

 

③ 営業活動支援のための分析データ提供
会議2昨今、企業競争が加速する中で、より営業戦略が求められてきているが、弊社でも、単なる顧客管理(CRM)に留まらず、地場企業である強みと「クラウド」というワールドワイドな環境を生かして、今後いかに適切なタイミングで適切な企業活動を行っていくかと、日々、戦略を練っている。
そのためには、既存のお客様情報(業種、地域、規模、収支、経営姿勢など)だけではなく、外的要因(業界トレンド、地域性、季節・年月日など)も取り入れることが大事だと思っている。
しかし、それらは、膨大な情報量であり、また、刻一刻と変化していくため、データの量と鮮度の両方を求められる。
そこで、クラウドを通じて、IoT機器やTwitter等からもたらされる BigDataを効率的に収集し、「Watson」や「アインシュタイン」といったAIを用いて、素早く分析させることで、その時々に応じた分析結果を提供し、経営/営業の意思決定に貢献できる、仕組みの検討を進めている。

いずれのプロジェクトも、取り組み始めたばかりで、現時点では、まだ具体的なお話ができないのが残念ではあるが、今はやりの「DevOps」として日々、スピード感をもって、開発、運用し、再調整を繰り返している。
2017年10月頃掲載予定のコラムでは、その結果として、実際に「Bluemix」上でサービスを構築、展開するまでの流れのご紹介と、上記プロジェクトを展開後、サービスを使ってみての効果や注意事項などの具体的な雑感もお伝えできればと考えているので、是非、楽しみにして、お待ちいただきたい。

(櫛崎健至)
※本文に記載している会社名、製品名は一般に各社の登録商標または商標です。

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